安曇野の風景に宿るもの。水と大地に刻まれた暮らしのかたち『にっぽん里山紀行』

長野県安曇野市は、県の中央部に位置し、北アルプスを背にした扇状地に広がる街です。北アルプスの雪解け水に支えられたこの土地では、古くから農業が営まれてきました。わさびやりんご、そばなどの農産物は、全国的にも知られています。

近年では観光地としての人気も高まり、田園風景や水のある風景が「癒しの地域」として注目される一方で、空き家の増加や農地の維持といった課題も見えはじめています。

初回となる『にっぽん里山紀行』では、この安曇野を舞台に、土地の成り立ち、暮らしのかたち、文化の痕跡、そして静かに進行する変化に目を向けながら、全4章にわたり現在地を記録していきます。

『にっぽん里山紀行』とは

かつて日本の多くの地域に広がっていた“里山”は、今なお暮らしと自然が交差する場として残り続けています。けれどもその姿は、気候変動や人口減少、暮らし方の変化とともに、少しずつ静かに変わりはじめています。

『にっぽん里山紀行』は、そうした変化のただなかにある里山を、過去の遺産としてではなく「いまを生きる文化」として見つめなおし、写真と言葉で記録していく取り組みです。

連載の初回となる今回は、私自身が暮らす信州・安曇野を舞台に、4つの視点から掘り下げていきます。

第1章「安曇野という場所――水と大地の風景」は、まもなく公開予定です。どうぞゆっくりと、お楽しみいただければ嬉しいです。

第1回「信州・安曇野編」【全4章】

安曇野は、私にとって暮らしの場であり、里山文化と日々向き合える足もとの風景です。北アルプスから流れ出る豊富な水と、扇状地の大地に支えられてきたこの土地には、自然と人の営みが重なり合いながら育まれてきた時間があります。

その風景に今あらためてまなざしを向け、小さな変化の中にある現在地を見つけていくこと。ここから始まる4回の記録では、そうしたまなざしで安曇野を一つひとつ確かめていきます。

第1章|安曇野という場所――水と大地の風景|信州・安曇野編

アルプスからの清らかな水と、扇状地のゆるやかな地形によってかたちづくられてきた安曇野。田畑や水路、道筋の在り方には、この土地の成り立ちと人の営みの痕跡が息づいています。初回は、水と大地の関係から安曇野という場所の輪郭を描き出します。

第2章|暮らしのリズムをたどる|信州・安曇野編

畑の手入れ、用水の掃除、庭の整備など、日々の営みに刻まれる季節のリズム。効率とは異なる“調和”が今も息づく暮らしを見つめながら、土地とともにある生活のかたちを記録します。

第3章|記憶として残るもの、今も息づくもの|信州・安曇野編

道祖神や古い地名、かつての道や行事。安曇野のあちこちに見られる文化の断片は、過去の遺物ではなく、日々の風景として静かに息づいています。生活の中に溶け込み、見過ごされがちなそれらにあらためてまなざしを向け、“記録”という行為を通して丁寧に掘り起こしていきます。

第4章|変化の中で、今を見つめなおす|信州・安曇野編

空き家、景観の変化、雪の少なさ、行事の変容――こうした変化を「失われたもの」としてではなく、「問いとしての今」として受けとめたい。連載の最後に、変わりゆく中で見えてきた“記録する”という行為の意味を考えてみます。

安曇野の風景_にっぽん里山紀行
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