登山は、体を動かしながら自然を満喫できる魅力的な趣味の一つです。とはいえ、「体力が必要そう」「装備が高そう」「危険では?」といったイメージを持つ人も多いかもしれません。それに加えて、「登
山は金持ちやエリートの趣味」「ダサい」といった意見も耳にすることがあります。
しかし、登山と一口に言っても本格的な山岳登山だけでなく、整備された登山道を歩くハイキングや軽登山など、さまざまなスタイルがあります。自然の中でリフレッシュしながら楽しめる登山は、実は誰でも気軽に始められる趣味なのです。
そこで今回は、「登山は本当に金持ちやエリートの趣味なのか?」、「ダサいと思われる理由はどこにあるのか?」 という点を掘り下げながら、登山の魅力や費用感、安全に楽しむためのポイントについてご紹介します。
登山を趣味にする人はどんな人?登山人口と年代別の特徴
登山と一口に言っても、標高の高い山に挑戦する本格的な登山から、気軽に楽しめるハイキングまで、そのスタイルはさまざま。では、実際に登山を楽しんでいる人はどの年代が多いのでしょうか?総務省統計局の「登山・ハイキングを行った人の状況」のデータをもとに、年代ごとの特徴を詳しく見ていきます。

登山人口の特徴
登山を楽しむ人の割合は、男女ともに40代から増加傾向にあります。特に60〜69歳の行動者率が最も高く、登山が中高年層に人気の趣味であることがデータからも明らかです。これは、定年退職やライフスタイルの変化により登山の時間が確保しやすくなることが影響していると考えられます。
また、男性は75歳以上、女性は70〜74歳で最も登山を楽しむ回数が多いことが特徴的です。年齢を重ねても登山を続ける人が多く、健康維持や自然とのふれあいを目的に、登山がシニア層のライフスタイルに定着していることがうかがえます。
一方で、20代〜30代の行動者率は比較的低く、仕事や家庭の都合で登山の時間を確保しにくいことが影響している可能性があります。しかし、近年ではSNSを通じた登山ブームや、初心者向けのツアー・登山アプリの普及により、若年層の登山人口も増加傾向にあります。
男女の違いはあるものの、登山の人気は全体的に安定しており、年齢を問わず多くの人に親しまれている趣味であることがわかります。一度始めると長く続けやすいのも登山の魅力のひとつと言えるでしょう。
登山は金持ちの趣味と言われる理由は?
登山には「お金がかかる趣味」というイメージがあり、「金持ちの趣味」と言われることがあります。確かに、装備や移動費、宿泊費などで費用がかさむこともありますが、実際には予算に応じた楽しみ方が可能です。では、なぜ登山は「金持ちの趣味」と思われがちなのか、その理由と実態を解説します。
理由1:装備にお金がかかる
登山用品は、安全性や機能性を重視して作られているため、ハイスペックなものほど価格が高くなりがちです。特に本格的な登山では、以下のような装備が求められます。
• 登山靴:2万円~5万円(高性能なものは10万円以上)
• ザック(登山用リュック):1万円~4万円
• 防寒ウェア(ゴアテックス製など):3万円~10万円
• テント泊用装備(シュラフ・マット・テントなど):10万円以上
これらのアイテムをフルセットで揃えようとすると、初期費用が数十万円に達することも珍しくありません。そのため、「登山=お金持ちの趣味」という印象が広まりやすいのです。
理由2:海外登山や高所登山は莫大な費用がかかる
登山の中でも、特に海外遠征や高所登山は多額の費用がかかるため、「金持ちの趣味」と言われる大きな要因のひとつです。
• エベレスト登山の総費用:700万円~1000万円以上
• キリマンジャロ登山:40万円~70万円
• アルプス遠征登山:50万円~100万円
こうした「夢の山」への挑戦は、多くの登山愛好家にとって憧れですが、費用のハードルが非常に高いため、「お金持ちの趣味」というイメージにつながりやすいのです。
理由3:交通費・宿泊費・ツアー費用がかさむ
国内の登山でも、頻繁に登山をする人は移動費や宿泊費が積み重なり、結果的に高額になることがあります。
• 交通費(電車・バス・マイカー):数千円~数万円
• 山小屋宿泊費:1泊1万円前後(食事付きの場合)
• ガイド付きツアー:数万円~数十万円
特に、遠方の山に行く場合は交通費が大きな負担となります。また、山小屋での宿泊を伴う登山や、専門ガイド付きのツアーに参加する場合は、それなりの費用が必要になります。
理由4:高品質なブランド品の人気
登山用品には、高機能かつブランド価値のあるアイテムが多く、一部の登山愛好者の間では「ブランド志向」が強い傾向があります。
例えば、ザ・ノース・フェイス、マムート、アークテリクスなどのブランドは、デザイン性と機能性に優れていますが、価格もそれなりに高くなります。そのため、登山=ブランド志向=お金がかかる、というイメージが定着しやすいのです。
実態:登山はお金持ちじゃなくても楽しめる
登山は、高額な装備や遠征費、ブランド志向などのイメージから「お金がかかる趣味」と思われがちです。しかし、実際にはどのような登山をするかによって、費用を大きく抑えることが可能です。
例えば、低山やハイキング程度であれば、最低限の装備でも十分楽しめます。 登山靴は1万円程度のトレッキングシューズで対応可能で、モンベルやコロンビアといったブランドは比較的リーズナブルな価格帯で、初心者にも人気があります。
本格的な登山には適しませんが、日帰りや短時間の登山であれば、ユニクロやワークマンの機能性ウェアでも代用が可能。 さらに、近場の低山なら公共交通機関を利用することで移動費を節約でき、宿泊を伴う山小屋泊の必要もありません。
このように、登山は「装備や移動費をかけるほど快適になる」一方で、工夫次第で低コストでも十分に楽しめる趣味です。
登山はエリートの趣味と言われるのはなぜ?

登山はエリートの趣味とも言われることがありますが、その背景にはどのような理由があるのでしょうか?主に以下のような要因が考えられます。
理由1:計画性・論理的思考が求められる
登山は単なる運動ではなく、綿密な計画とリスク管理が必要な趣味です。ルートの選定、天候のチェック、装備の準備、体力の配分など、論理的に考えながら進めることが求められます。そのため、戦略的に物事を考える人や、仕事でも計画性を重視するエリート層が好む傾向があるのかもしれません。
理由2:自己管理能力が求められる
登山では、自分の体調やペースを把握し、無理のない範囲で行動する自己管理能力が重要です。特に長時間の登山では、体力を温存しながら着実に登る必要があり、これは仕事や日常生活でも通じるスキルです。エリート層の人々は、こうした自己管理能力が高いため、登山を好む人が多いのかもしれません。
理由3:達成志向が強い人に向いている
登山は「山頂にたどり着く」という明確な目標があり、努力を積み重ねることで成果を得られる趣味です。そのため、目標達成を大切にする人や、成功体験を重視するエリート層の価値観と親和性が高いと言えます。
理由4:富裕層に人気の登山スポットがある
登山の中でも、海外遠征や高山登山には多額の費用がかかるため、一部の富裕層が楽しむ趣味というイメージもあります。
例えば、エベレスト登山には700万円~1000万円以上の費用がかかり、キリマンジャロやモンブランへの遠征でも数十万円以上の費用が必要です。こうした「特別な登山」は、資金に余裕のある人しか挑戦できないことが多く、「登山=エリート層の趣味」という印象につながりやすいのかもしれません。
実態:登山はエリート層だけではなく、会社員・学生・主婦など、幅広い層で楽しめる
登山はエリート層だけの趣味ではなく、会社員、学生、主婦、シニア層など、多くの人に親しまれています。
会社員にとっては、休日に自然の中でリフレッシュできる運動として人気があり、低山ハイキングや日帰り登山を楽しむ人が増えています。特に、登山の様子をSNSや動画で発信する人も多く、「#登山女子」「#ソロ登山」などのハッシュタグをつけた投稿も目立ちます。
学生の間では、アウトドアサークルや友人との挑戦として登山が選ばれ、特別なスキルがなくても気軽に始められるのが魅力です。最近では、YouTubeなどで登山のノウハウを学び、手軽に情報を得て始める人も増えています。
主婦層では、健康維持やリフレッシュ目的で登山を楽しむ人も増えており、家族でのハイキングや近場の登山を気軽に取り入れるスタイルが定着しています。シニア層にとっても、適度な運動として登山を続ける人が多く、中高年の登山者は年々増加傾向にあります。
登山は、装備やコースの選び方次第で誰でも楽しめる趣味です。SNSや動画を活用して登山の魅力を発信する人が増えたことで、登山はより身近な趣味として広がりを見せています。
登山はダサいと言われる理由とその誤解
一方で、「登山はダサい」とも言わます。その理由として、以下のような誤解が考えられます。
理由1:ファッション性よりも機能性が重視される
登山ウェアは、動きやすさや防寒・防水といった機能性が最優先されるため、街中のファッションとは異なるデザインが多いのが特徴です。「ゴツゴツした登山靴」「派手なカラーのウェア」「ゆったりとしたシルエット」など、機能重視のスタイルが一般的で、カジュアルな服装と比べると違和感を持たれることもあります。
しかし近年では、「山と道」や「and wander(アンドワンダー)」といったブランドが、機能性とデザイン性を兼ね備えたウェアを展開し、タウンユースとしても注目されています。特にUL(ウルトラライト)ギアの人気が高まり、軽量でスタイリッシュなウェアを選ぶ登山者も増えています。登山ウェア=ダサいというイメージは、もはや過去のものとなりつつあるのです。
理由2:中高年の趣味というイメージ
登山者の年齢層を見ると40代~60代が多いため、「若者向けの趣味ではない」と思われがちです。しかし、実際には20代や30代の登山愛好者も増えており、特に日帰り登山やハイキングは初心者でも気軽に始められるスタイルとして人気です。近年では、YouTubeやSNSで登山の魅力を発信する人も増え、「登山女子」「ソロ登山」といったスタイルが広がり、若年層の登山人口も確実に増えています。
理由3:「きつそう」「大変そう」なぜそこまでして登るのか理解できない
登山は「しんどい」「体力がないと無理」といったイメージを持たれがちです。確かに標高の高い山や長時間歩くコースは、相応の体力や経験が求められるため、「なぜそんな大変なことをするのか?」と疑問に思う人もいるでしょう。
登山の魅力は、単なる運動ではなく、自然との一体感や達成感にあります。長時間歩いた先で目にする絶景や、山頂に立った瞬間の爽快感は、言葉では表せないほどの感動をもたらします。また、登山中は日常のストレスから解放され、スマホの通知も気にせず、目の前の景色や自分自身と向き合う時間を楽しめます。
登山は、ただ「きつい」だけのものではなく、自分のペースで挑戦できる趣味でもあります。初心者向けの低山やハイキングコースなら、無理なく楽しめるルートも多く、登ることそのものを楽しむ登山者も増えています。
登山を趣味にする3つの魅力

登山は「お金がかかる」「エリート向け」「ダサい」などのイメージがあるかもしれませんが、それでは何故、登山に魅了される人が多いのでしょうか。ここでは、そんな登山の3つの魅力をご紹介します。
壮大な景色と達成感を味わえる
登山の醍醐味は、何と言っても山頂からの壮大な景色。普段の生活では味わえない、非日常の絶景が目の前に広がります。
日々忙しく働く人にとって、歩くといえば通勤がメインかもしれません。しかし、登山では土の感触を足裏に感じ、新鮮な空気を深く吸い込みながら、鳥のさえずりをBGMに一歩一歩進んでいく。そして、頂上にたどり着いた瞬間の達成感と、その先に広がる壮大な景色は、まさに感動的です。
さらに、登山の魅力は四季折々の表情を楽しめること。春の芽吹き、夏の青々とした緑、秋の鮮やかな紅葉、冬の荘厳な雪景色と、同じ山でも季節ごとに異なる美しさに出会えます。一度この達成感と開放感を味わうと、登山の魅力にどっぷりとハマってしまうかもしれません。
運動不足の解消や心身の健康促進に繋がる
登山は、全身をバランスよく使う運動として、体力の向上に役立ちます。坂道を歩くことで脚力や持久力が鍛えられ、岩場や不安定な道を進むことで体幹も強化されます。また、標高差のあるコースでは心肺機能が鍛えられるため、健康維持にも効果的です。
さらに、登山は心の健康にも良い影響を与えます。自然の中を歩くことでストレスが軽減され、リフレッシュ効果が期待できます。仕事や日常の喧騒から離れ、デジタル機器からも解放されることで、気持ちがクリアになり、前向きな気持ちになれるのも魅力のひとつです。
初心者は、まずはハイキングや低山登山から始めるのがおすすめ。無理のないペースで山歩きを楽しむうちに、自然と運動量が増え、健康維持にもつながります。気軽に始められながら、心身のリフレッシュ効果が高いのが登山の大きな魅力です。
山ごはんや下山後の温泉とグルメは最高のご褒美!

登山の楽しみのひとつが「山ごはん」。山頂で食べる食事は、驚くほど美味しく感じられます。特別な準備をしなくても、コンビニのおにぎりやカップラーメンでも格別の味わいに。山小屋の名物料理を楽しむのも、登山ならではの醍醐味です。
さらに、登山の締めくくりとして欠かせないのが、下山後の温泉とグルメ。達成感に満ちた身体を温泉でじっくり癒し、美味しいごはんを味わう時間は至福のひとときです。特に、冷えたビールと地元の名物料理は、頑張った自分への最高のご褒美。登山後の爽快感とともに楽しめる至福の瞬間です。
登山は生涯趣味として年齢を重ねても楽しめる
登山は、壮大な景色と達成感を味わえるだけでなく、心身の健康維持にも役立ち、充実した時間を過ごせる趣味です。「金持ちの趣味」「エリートの趣味」「ダサい」といったイメージを持たれることもありますが、実際には会社員や学生、主婦、シニア層まで幅広い人々に親しまれています。装備やコースの選び方次第で、誰でも気軽に楽しめるのが登山の魅力です。
特に登山は、生涯にわたって楽しめる趣味のひとつです。若い頃は体力を活かして挑戦的な山に登り、年齢を重ねるにつれて無理のないペースで低山やハイキングを楽しむなど、自分のライフスタイルや体力に合わせた登山が可能です。
また、登山は健康維持にも効果的です。適度な運動で足腰を鍛え、自然の中でリフレッシュすることでストレス解消にもつながります。実際に、60代以上の登山愛好者も多く、シニア向けの登山ツアーやトレッキングコースも充実しています。
生涯にわたって楽しめる登山だからこそ、無理のないペースで続け、自分のスタイルに合った山歩きを見つけることが大切です。