初心者必見!登山装備の選び方と必ず揃えたい3大基本装備

登山を始めようと思った時、何から揃えればいいのかわからないという声をよく聞きます。登山装備の選び方や基本装備について詳しく解説します。まずは初心者が揃えるべき3大基本装備から見ていきましょう。

登山靴:初心者が最初に揃えるべき基本装備

登山を始める前にまず準備するべきものは登山靴です。登山では石や岩など凹凸が激しい道を歩いたり、重い荷物を背負って登り降りするため、足に大きな負担がかかります。そのため、靴は頑丈なものが必要です。高尾山など道が整備されている場所では問題ありませんが、普段履く靴では耐久性が劣るため、ソールが剥がれるなど壊れてしまう可能性があります。

また、普通のスニーカーではソールが柔らかく、足の裏を痛めやすいです。さらに、山では川を渡ったり、雨が降って濡れてしまうこともあるため、防水加工が施されている靴が必要です。足の安全を確保するため、まずは登山靴を準備することをおすすめします。

登山靴を選ぶ時のポイント

1. 自分の登山スタイルに合った靴の種類を選ぶ

登山靴といっても種類が豊富にありますので、何を選べばよいか迷うこともあります。最初の靴は自分が気に入ったものを選びたいですよね。ただし、見た目のデザインだけでなく、用途に合わせて選ぶのが一般的です。ここでは、登山靴の種類を紹介します。

ハイキングシューズ

主にハイキングや舗装されている低山向けの靴です。ソールが柔らかく、山歩きに慣れていない人には歩きやすい作りです。ハイキングや低山(2,000m以下の山)へ行くには最適です。軽量化されているため、トレランシューズとしても活用できます。まだ登山スタイルを決めていない人は、ハイキングシューズを新たに購入するより、ある程度の山に適応できるトレッキングシューズの購入をおすすめします。

トレッキングシューズ

一般的に登山初心者はトレッキングシューズから始め、山歩きに慣れていくのが王道です。防水性も高く、ソールも硬く作られているため足に負担がかかりません。3シーズン(春・夏・秋)履けて、ちょっとした雪山を体験したい時でも軽アイゼン(6本爪)までなら装着可能なので冬でも履くことができます。

ただし、標高2,000m以上で道の凹凸が激しい山や本格的な冬山には向いていないのでご注意ください。靴を選ぶ時は自分の足にフィットするかどうかを確認しましょう。サイズが違ったり、フィットしない靴は足の怪我につながりやすいので、メーカーによって形が異なるため、店員さんとよく相談し、試し履きをしながら選んでください。

アルパインシューズ(マウンテンシューズ)

トレッキングシューズに比べ、より頑丈にできているのがアルパインシューズです。岩場や雪山を登るための機能が充実しています。10本爪以上のアイゼンが装着可能です。靴自体が重いため、登山中級~上級者向けといえます。特別な事情がない限り、いきなりアルパインシューズを購入する必要はありません。

2. フィット感を重視する

登山靴を選ぶ際には、見た目のデザインよりもフィット感が重要です。足にしっかりフィットする靴を選ぶことで、長時間の歩行でも快適さを保つことができます。ECサイトで購入できるのは便利ですが、可能であれば店舗で試し履きをするのがおすすめです。

メーカーによってサイズ感も変わってくるため、試し履きを通じて自分の足に最適なフィット感を見つけることが重要です。

サイズ

足の長さだけでなく、幅や甲の高さも考慮しましょう。試し履きをする際は、足の形に合った靴を選ぶために専門店の測定器を利用するのがベストです。

足の指が自由に動けるスペースがあるか確認します。特に、つま先が詰まっていないか注意してください。

靴紐の調整

靴紐をしっかりと締めても痛みがないか確認します。靴の中で足が前後に動かないようにすることが大切です。特に下り坂を歩くシミュレーションを行い、指先が前にぶつからないか確認します。これにより、長時間の歩行でも爪を守ることができます。

靴紐の締め方は、甲部分はしっかり締め、足首部分は動きを妨げない程度に調整します。適切な締め方を習得することで、靴のフィット感が向上します。

ソックス

実際に登山で使用する厚手のソックスを着用して試し履きを行うことがポイントです。登山時の実際のフィット感を確かめることができます。

厚手のウールソックスや登山専用のソックスを使用することで、足のクッション性が増すので、通常のソックスとは違う、より正確なフィット感を確認できます。厚手のソックスは、足の衝撃を吸収し、長時間の歩行でも足を守る効果があります。

試し履きの際のチェックポイント

登山靴はメーカーやモデルによって形やサイズ感が異なります。そのため、専門店で購入することをおすすめします。専門店のスタッフは、自分の登山計画や足の特徴に基づいて、最適な靴を提案してくれます。以下のポイントに注意して、試し履きを行いましょう。

自分の登山計画を伝える

登山の目的や頻度、予定している山の種類などを詳しく伝えることで、適切なアドバイスを受けることができます。

足の特徴を説明する

足の幅、甲の高さ、アーチの形状など、自分の足の特徴を詳しく説明しましょう。自分の足に合ったモデルを見つける手助けになります。

斜面を模した試し履きスペースを利用する

専門店には、上り坂や下り坂を模した試し履きスペースがあることが多いです。これを利用して、実際の登山を想定した状態で靴のフィット感を確認します。

入門登山靴としておすすめな登山靴ブランド5選

モンベル(mont-bell)

モンベルは日本の登山用品ブランドで、多彩なラインナップが特徴です。特に登山靴は、日本人の足型にフィットするよう設計されており、価格もリーズナブルで幅広い世代から支持されています。

登山靴の種類もレギュラータイプに加え、幅広タイプも揃えているため、自分に合った靴を見つけやすいです。独自のソールシステムにより、濡れた路面でも優れたグリップ力を発揮し、ゴアテックス素材を使用しているため高い防水透湿性を持ち、長時間歩行でも足元をドライに保つことができます。

全国に店舗があり、試し履き環境も充実しているため、初心者でも安心して選ぶことができます。

キャラバン(caravan)

国内老舗登山靴メーカーであるキャラバンシューズは「軽くて履きやすくて歩きやすいこと」を使命としています。日本人の足の形を重視して作っているため日本人が履きやすい登山靴です。必要な機能を備えている登山入門者・初心者向けに最適です。個人的にも一番最初はキャラバンを購入しました。

ザ・ノース・フェイス (THE NORTH FACE)

若い世代から人気のアウトドア・登山用品を扱うアメリカのメーカー。アウトドアウェアが中心ですが、登山用のウェアや靴も充実しており普段でも使えるデザインが魅力的です。もちろんデザインだけではなく機能的にも優れたものが多いので初心者の方には入りやすいメーカーです。

ラ・スポルティバ(LA SPORTIVA)

北イタリアにある登山靴メーカー「ラ・スポルティバ(LA SPORTIVA)」。創業85年からなる蓄積された技術のもと、多くのクライマーや登山家に愛されているメーカーです。登山を本格的に始めたいならおすすめです。

ホカ(HIOKA)

HOKAは2009年にフランスのアネシーで誕生したシューズブランドです。アウトドアシーンで生まれたHOKA ONE ONE(ホカ オネオネ)のシューズは、独特の厚みを持つミッドソールで一躍有名になりました。

ランニングシューズとして世界中のランナーに支持されていますが、HOKA ONE ONEのハイキングシューズ「SKY KAHA」は、その軽さから人気を集めています。私も今はHOKAを愛用しています。

登山リュック(ザック):登山に欠かせない必需品

登山において、適切なザックを選ぶことは非常に重要です。ザックは登山中に必要な道具や食料を収納するための必須アイテムであり、その選び方次第で快適さが大きく変わります。以下では、初心者がザックを選ぶ際に考慮すべきポイントを詳しく説明します。

1. サイズと容量

ザックのサイズと容量は、登山の種類や期間によって異なります。日帰り登山から数日間のトレッキングまで、目的に合った容量を選びましょう。

日帰り登山: 20~30リットル

軽装で必要最低限の装備を収納するのに最適です。軽食、水、レインウェア、予備の衣服などを持ち運ぶことができます。

1泊2日: 30~40リットル

山小屋泊や簡単なキャンプに必要な装備を収納できます。追加で防寒着や寝袋、食料、調理道具などを入れるスペースがあります。

3泊4日以上: 50リットル以上

長期間の登山やテント泊を伴うトレッキングに適しています。すべての登山用品、複数日分の食料、追加の衣服や道具を持ち運ぶための容量を備えています。

2. フィット感と調整機能

ザックは体にしっかりフィットすることが重要です。ショルダーベルトやウエストベルトの調整機能が充実しているザックを選び、自分の体に合ったフィット感を確保しましょう。専門店で試着し、実際に荷物を入れて背負ってみるのがおすすめです。

ショルダーベルト

肩への負担を軽減するためにパッド入りのものを選びましょう。

ウエストベルト

腰にしっかりと固定し、荷重を分散させる役割があります。幅広でパッド入りのものが快適です。

チェストストラップ

肩ベルトが広がらないように固定するため、体の動きに合わせて調整できるものが便利です。

3. 背面の通気性

登山中は汗をかきやすいので、背面の通気性が良いザックを選ぶと快適です。メッシュパネルやエアフローシステムを備えたザックは、背中の蒸れを軽減してくれます。

メッシュパネル

 背中とザックの間に空間を作り、通気性を確保します。

エアフローシステム

 空気の流れを促進し、熱や湿気を逃がします。

4. ポケットと収納機能

ザックのポケットと収納機能も重要です。外側にポケットが多いザックは、小物の取り出しが便利です。また、サイドポケットやヒップベルトポケットがあると、水分補給やスナックの取り出しがスムーズに行えます。

5. 重量

ザック自体の重量も考慮しましょう。軽量なザックは持ち運びが楽で、長時間の登山でも負担が少なくなります。ただし、軽量性と耐久性のバランスを考慮することも大切です。

最近ではいかに軽くするかに重きを置くUL(ウルトラライトトレッキング)も流行り、様々な軽量化されたザックも販売しておりますのでチェックしてみてください。

6. ハイドレーションシステム対応

ハイドレーションシステムに対応しているザックは、水分補給が容易になります。登山中に手を使わずに水を飲むことができるため、便利です。

登山用のザックを選ぶ際は、これらのポイントを考慮して、自分の登山スタイルに合ったものを選びましょう。適切なザックを使用することで、快適で安全な登山を楽しむことができます。

最初に選ぶならコレ!おすすめ登山リュックブランド5選

Millet(ミレー)

Milletは1921年に創業されたフランスの老舗アウトドアブランドです。1930年代に初めてショルダーストラップ付きのバッグを販売し、その後バックパックへと進化させました。これにより、フランスの山岳コミュニティで広く認知されるようになりました。

Milletの製品は高い技術力と耐久性を備えており、登山家や山岳愛好者から長年にわたり支持されています。フランスの洗練されたデザインとともに、機能性にも優れたアイテムが揃っており、多くの登山者に愛用されています。

karrimor(カリマー)

Karrimorは1946年にイギリスで創業されたアウトドアブランドです。カリマーの製品は、その耐久性と機能性で知られており、世界中の冒険家や登山家に愛用されています。特に、カリマーのバックパックは厳しい環境下でも信頼できるパフォーマンスを発揮します。

軽量でありながら頑丈な作りと、使い勝手の良いポケット配置が特徴です。イギリスの伝統的なデザインと最新のテクノロジーを融合させた製品は、多くの登山者にとって信頼のおける選択肢となっています。私が最初に購入したザックはkarrimorでした。

Colombia(コロンビア)

Columbiaは1938年にアメリカで創業されたアウトドアブランドです。コロンビアの製品は、その優れた防水性と耐久性で知られています。特に、登山ザックは多機能でありながら、軽量で持ち運びが楽な設計が特徴です。

また、コロンビア独自のオムニテックテクノロジーにより、悪天候でも快適に過ごせるよう工夫されています。デザインもシンプルでスタイリッシュなため、街中でも使いやすく、アウトドアから日常まで幅広く活躍するアイテムが揃っています。さらに、価格もリーズナブルで、初心者からベテランまで手軽に購入できる点も魅力です。

created by Rinker
Columbia(コロンビア)

OSPREY(オスプレー)

Ospreyは1974年にアメリカで創業されたアウトドアブランドです。オスプレーのザックは、その優れたフィット感と耐久性で多くの登山者に支持されています。特に、エルゴノミック(人間工学)デザインに基づいたショルダーベルトやウエストベルトが特徴で、長時間の登山でも快適に使用できます。

また、多くのモデルがハイドレーションシステムに対応しており、水分補給が容易です。軽量ながらも頑丈な素材を使用しているため、どんな過酷な環境でも安心して使用できるのが魅力です。

And wander(アンドワンダー)

And Wanderは2011年に日本で誕生したアウトドアブランドです。ファッション性と機能性を融合させたデザインが特徴で、街中でもアウトドアでもスタイリッシュに使えるアイテムが揃っています。特にザックは、軽量で耐久性に優れ、雨や風にも強い素材を使用しています。細部にまでこだわったデザインと、高い収納力が魅力です。

また、日本のブランドならではの細やかな気配りが随所に見られ、使い勝手の良さが支持されています。初めての登山ザックとしても、自信を持っておすすめできるブランドです。

登山用レインウェア:山行を快適にする重要アイテム

登山の天候は変わりやすいため、レインウェアも必須の装備です。山では天候が急変しやすく、予期せぬ雨や風に備えるために、高品質なレインウェアを準備することが重要です。ここでは、レインウェアを選ぶ際のポイントとおすすめのブランドを紹介します。

1)防水性と透湿性

高い防水性と透湿性を持つレインウェアは、雨を防ぎつつ内部の蒸れを防ぐため、快適な着心地を提供します。ゴアテックスなどの高性能素材を使用したものがおすすめ。雨天でも体をドライに保ち、汗をかいても蒸れにくく快適に過ごせます。

2)軽量性と収納性

レインウェアは常に持ち運ぶため、軽量でコンパクトに収納できるものを選ぶと便利です。収納袋が付属しているモデルはさらに便利です。軽量な素材で作られたレインウェアは、バックパックの中で場所を取らず、必要なときにサッと取り出せます。

3)耐久性

山の環境は厳しいため、耐久性のある素材で作られたレインウェアが長持ちします。特に摩擦や引き裂きに強い生地を選ぶと良いでしょう。耐久性のあるレインウェアは、岩場や藪を通過する際にも破れにくく、長期間使用できます。

4)フィット感と動きやすさ

フィット感が良く、動きやすいデザインのレインウェアを選ぶことが大切です。ジャケットとパンツのセットアップで、アクティブに動けるものを選びましょう。適切なフィット感は、激しい動きの中でもレインウェアがずれたり、締め付けすぎたりしないため、快適に動くことができます。

5)通気性

登山中は汗をかきやすいので、通気性が良いレインウェアを選ぶと快適です。ベンチレーションが付いているモデルは、通気性を高めるために便利です。体温が上がりすぎず、長時間の登山でも快適さを維持できます。

登山用レインウェアのおすすめブランド5選

ザ・ノース・フェイス (THE NORTH FACE)

ザ・ノース・フェイスは、アウトドア愛好者に幅広く支持されているブランドです。特にレインウェアは、高い防水性と透湿性を兼ね備えており、厳しい登山環境でも快適さを保ちます。ゴアテックス素材を使用したモデルは、軽量で動きやすく、耐久性も抜群です。

モンベル(mont-bell)

モンベルは、日本のアウトドアブランドで、コストパフォーマンスに優れたレインウェアを提供しています。防水性と透湿性が高く、軽量でコンパクトに収納できるため、登山初心者からベテランまで幅広く愛用されています。特にアルパインやトレッキングに最適なモデルが揃っています。

マムート(MAMMUT)

マムートはスイス発祥のアウトドアブランドで、革新的なデザインと高品質な素材が特徴です。マムートのレインウェアは、耐久性と防水性に優れ、過酷な山岳環境にも対応します。フィット感と動きやすさを兼ね備えたモデルが多く、プロの登山家からも支持されています。

finetrack(ファイントラック)

ファイントラックは、日本のアウトドアブランドで、独自の防水透湿素材を使用したレインウェアが特徴です。軽量で通気性が高く、長時間の登山でも快適に過ごせます。ベンチレーションが充実しており、蒸れにくく、動きやすいデザインが魅力です。

patagonia(パタゴニア)

パタゴニアは、環境に配慮した製品づくりで知られるブランドです。パタゴニアのレインウェアは、高性能な防水透湿素材を使用し、耐久性と快適さを両立しています。また、リサイクル素材を使用しているモデルもあり、環境への負担を減らすことができます。デザインもシンプルでスタイリッシュです。

初心者の登山装備選びは自分だけで決めないことがポイント!

登山をより快適にするためには、基本の3大登山装備「登山靴」「ザック」「レインウェア」をしっかりと揃えることが重要です。この3つの装備は、山での安全性と快適さを確保するために欠かせません。費用もかかるため、最初はまとめて購入せず、まずは登山靴から揃え、ハイキングや低山などで山に慣れつつ、他の装備を徐々に整えていくのが良いでしょう。

装備を選ぶ際は、お近くの登山用品ショップ(エルブレスや好日山荘など)の店員さんと相談し、自分の登山スタイルや足の形に合ったものを選びましょう。試着して実際のフィット感を確認することが大切です。これにより、長時間の山行でも快適に過ごせます。

お気に入りの装備を見つけることは、登山の楽しみの一つですね。自分にぴったりの装備を揃え、快適で安全な登山を楽しんでください。

HIKES編集長の里山トラベル

HIKES編集長の山歩きをX(旧Twitte)rでも発信しています。山歩きをしながら地域の歴史を巡る里山トラベル活動をしています。フォローしてもらえると喜びます。

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